留学先にベトナムを選んではいけない

絶対に選ぶなよ!絶対だぞ!

私が間違ってた。だからあなたは私に謝って。

 っていうタイトルの歌があるんですね。最高です。けしからん。ベトナム人女性ならではの面倒くささが最高です。似たニュアンスのわがまま系ソング(なんだそれ)だと西野カナのトリセツが思い出されますが、それよりも表現がストレートなこちらの曲の方が好感が持てます。自分だけですかね。そうですか。

f:id:ryo_jp:20180315223801j:plain※原題はEM SAI RỒI ANH XIN LỖI EM ĐI 曲名も意味不明だがMVのダンスもかなり意味不明。必見。

 というわけでいまだ留学に関するエントリーのない留学ブログですが、今回はベトナムの音楽事情、それからV-Popについてめちゃめちゃに語らせていただきます。一体どこに需要があるんだか分からない。が、曲とアーティスト紹介にとどまらず、ちょっと詳しい話なんかもしたいと思います。好きなので。

 本題。そもそもベトナムで聴かれている音楽のジャンルですが、主流は日本でいう演歌・歌謡曲の系統なんですね。写真のような感じ。日本人は容易に想像がつくと思います。ここらへんも「ベトナムは昔の日本のようだ」と揶揄される一因でしょうか。年配の方はこれしか聴きませんし、若年層でも聴く人は多いです。自分はこの手のが全く好みじゃないのですが、会社の人とカラオケに行くとひたすらこれを歌うのでしんどいです。

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引用: Bảo Yến day dứt hát Anh còn nợ em của cố nhạc sĩ Anh Bằng

 なお夜行バスに乗っても、消灯までの間ずっと車内でこのライブ映像が流れます。なぜかは不明。そういう文化なのです。また一方で、若手のアーティストが既存の歌謡曲をポップスにアレンジして再ヒット、というケースもあります。後で紹介しますね。

 そんでもって、若者に人気なのはやはり洋楽です。Justin Bieber, Charlie Puth, Bruno Mars, Ed SheeranなどBillboardに出てくるメジャーなところですね。万国共通。Shape of youとかDespacitoとか街中のいたる所で流れています。大学生なんかは有名曲の英詞を普通に丸暗記しているのでびっくりします。また日本と同様、K-Popも根強い人気を誇っており、韓流ダンスサークルも多くあります。いまアツいのはWanna Oneでしょうか。

 これら洋楽とK-Popの人気度は日本と比べても非常に高く、V-Popと同等かそれ以上にあります。というのも、V-Popはいまだ発展途上で曲がイマイチなこともあり、「国産の音楽はダサい、洋楽の方がイケてる」という層が一定数いるんですね。日本のアイドル曲やJ-Popは、長い時間をかけて洋楽と異なる特有のジャンルを形成していますが、ベトナムにおけるポップスは比較的「新しい」「外来」のもので、K-Popの影響をめちゃくちゃに受けまくっています。K-Popの延長線上にあるといっても過言ではありません。そしてK-Popは欧米のクラブミュージックの流れを汲んでいるので、欧米→韓国→ベトナムとジャンルが漂流した結果、「駆け出しのトラックメイカーが作ったようなちゃっちいクラブミュージック」がV-popには散見されます。(中高時代DTMにハマっていた自分にとっては、どこか感慨深さがありますが・・・。)とはいえ最近のトラックはどんどん洗練されていっており、ベトナム音楽らしさが取り入れられた良曲もリリースされています。

 さて、そんなV-Popの最前線を走るトップアーティストがf:id:ryo_jp:20180316001632j:plainSơn Tùng MTP(ソントゥンMTP)です。

 いわゆる男性アイドル歌手で、V-Popアーティストの中でも知名度・人気ダントツです。V-Pop紹介記事では間違いなく最初にあがります。ベトナム在住の方で知らない方はいないでしょう。とりわけ2016年末にリリースされたLạc Trôi(画像上)は爆発的なヒットとなりました。彼のファンはSky(スカイ)と呼ばれ、そしてSkyは彼のことをSếp(セップ:上司・先輩)と呼ぶのが慣わしになっています。この文化もK-Popっぽいですね。彼はOPPOの広告にも起用され、街中でも見かけられます。この写真いまいちなんだよな。

f:id:ryo_jp:20180316003825j:plain引用: Sơn Tùng M-TP tiếp tục được lựa chọn làm đại sứ thương hiệu cho dòng OPPO F-Series thế hệ mới

 で、ここから少しディープな話になるのですが、実は彼、人気がめちゃくちゃ高いだけあって、アンチもかなり多いです。ベトナム版ジャスティン・ビーバーかな。自分は普通に好きなので、ソントゥン好きなんだ~という話を友人にすると、ほんと!私も!という肯定的なパターンと、えーまじ?自分はちょっと・・・という否定的なパターンに二分されます。叩かれる理由は単純で、パクリが多いんですね。MVの衣装がBIGBANGにそっくりだとか、洋楽ヒット曲のパクリだとかで嫌う人がいます。とりわけBIGBANGのファンは彼のことめちゃくちゃ嫌います。

 具体的な話をすると、「Trúng ta không thuộc về nhau」という曲がCharlie Puthの「We don't talk anymore」に酷似しています(!)というか完全にアレンジ曲です。サビを聴いてもパクリなのが良く分かると思いますが、それ以前に曲のタイトルが「もう僕らは付き合っていない」という意味になっていて歌詞までパクリでアウトなんです。トラックメーカーがヒット曲を模作して曲作りの勉強をすることは普通だし問題ないのですが、それをリリースして売り出しちゃあかんだろ、ということで批判の対象になっています。正論だと思います。こういうところはベトナムが小さい中国であるのを感じさせられますね。

もう1人、人気の男性アーティストが

Soobin Hoàng Sơn(ソービン・ホアンソン)です。

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 なんだかんだ彼もイケメンゆえ売れてる感が否めないのですが・・・注目するべきは上述した既存曲のポップス・アレンジですね。Ngaì Mai Em Điという曲のリアレンジがヒットしました。原曲をテンポアップさせた上でFuture Bassに仕上げてあり、アレンジだと分からないほど自然な出来になっています。自分は最初アレンジだと知りませんでした。こちらのアンチは聞いたことありません。なお彼のオリジナル曲にもヒット曲が多数あるので要チェックです。

 本当におすすめをあげるとキリがないのですが、最後に自分が一番推したい楽曲がこちら

Tuý Âm - Xesi x Masew x Nhật Nguyễn

f:id:ryo_jp:20180316023004j:plain 3アーティストによるコラボ楽曲です。タイトルのTúy Âm(トゥイオム)は漢訳すると「酔音」、名前の通り浮遊感・脱力感のある綺麗めなFuture Bassに仕上がっています。なぜこれを推したいかというと、ビートが洗練されているのはもちろんなのですが、

ベトナム語特有の声調が非常に綺麗な形でメロディーに落とし込んであるんですね。

これぞ現代ベトナム音楽、V-Popの真骨頂です。声調っていうのは「まぁ」と「マ?」のような音程の違いのことで、ベトナム語や中国語はこの違いにより意味が変化します。それゆえ、あまり知られていないのですが、楽曲に歌詞をのせるにあたっても声調が重要になり、メロディーと声調の上がり下がりを一致させることにより曲がより自然かつ美しい仕上がりになります。(合わない場合はメロディーが優先されますが・・・)この楽曲はそれが素晴らしい。日本語にはない声調言語特有の美しさが感じられる一曲です。ぜひ一聴してみてください。

 という感じで、まだまだ書こうと思えばいくらでも出てくるのですが、今回はここまでにしたいと思います。少しでもV-Popの魅力や奥深さが伝ったなら幸いです。自分のおすすめプレイリストも貼っておくのでSpotifyユーザーの方はぜひチェックしてみてくださいね!最後までお読み頂きありがとうございました。