留学先にベトナムを選んではいけない

遊びすぎちゃいました。ベトナムありえん楽しかったです

公安とのあくなき戦い(前編)

 ベトナムに暮らしていて、自分が最も恐れているのが公安です。バイクでそばを通る度に、「頼む、捕まらないでくれ・・・頼む・・・」と祈ってばかりいます。

 日本でいう警察にあたる公安ですが、”おまわりさん”なんていう優しいものではありません。彼らは国家権力の犬です。態度もめちゃめちゃでかい。こんなこと書いてたらマジで捕まる。社会主義における国家権力というのは本当に強いもので、外で政府や公安の悪口を言おうものなら即座に逮捕です。自分の暮らす首都ハノイは政治の中心なので、とりわけ公安が多いです。(そのおかげで治安が良いとも言われているので、一概に悪い側面ばかりでないのですが・・・。)

 通常の公安と交通公安は制服が分かれていて、通常が緑、交通公安がクリーム色です。ゆえに交通公安は「黄色い服」とか「ピカチュー」とか揶揄されます。そんなに可愛くないよ。もう写真みるだけでいやだ。

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出典: Công an có trang phục mới, thay đổi cành tùng

 そんな交通公安ですが、バイクを運転する人で捕まったことがないという人はほぼいません。理由は大体ノーヘル、信号無視、速度超過、あとは特に悪いことしてないけど捕まったとかです。理不尽。ベトナム人に「バイク乗ってるよ~」という話をすると、「公安に捕まったことはあるか?」「捕まったらどうするか?」と質問されるのはもはやテンプレ。自分はかれこれ3回捕まりました。今回はそんな公安との激戦の記録です。

 初戦

 2018年1月8日、ハノイの中心部に用事があったのでバイクを走らせていたのですが、疲れからか、不幸にも道を間違え、挙句の果てになぜか公安に止められてしまいます。ヘルメットしてる、速度出してない、信号無視もしてないので、完全に理由不明。しかし、バイクを購入してから3ヶ月、初めての体験だったので「ついに俺にもこの時が来たか・・・!」と捕まったにも関わらず心ははしゃいでしまいます。ほんと楽しい性格です。

 前々からベトナム人の友人に、「捕まった時はベトナム語分からないふりすればOK☆」と聞いていたので、その作戦を取ります。「バイクを降りろ!そこにバイク置け!」とか、「は?おめえ外国人か?中国人か?」とか言ってること理解できるんですけど、「いや、俺ベトナム語分からないっす!」「俺何も悪いことしてないっしょ!」と気持ちの悪いきょどった日本語で対応します。しかしジェスチャーで降りろ停めろと指示されてしまったので仕方なく応じることに。

 今度は「免許証出せ!」と指でカードのジェスチャーをしてくるので、ベトナム語を分からないふりをしながらも、あぁ免許証ね、とドヤ顔で免許証を出します。幸いにも2週間前に免許を取得したばかりです。とにかく免許取得率の低いベトナム、「2年以上乗ってるけどこの前やっと取った~」とかざらなのでこれで無罪釈放だろうと思ったのですが、全然ダメでした。免許証を取り上げるや否や、今度は「あ?お前日本人か?免許持ってるならベトナム語分かんだろ!お前試験受けただろ!おい!」とめちゃめちゃ煽ってきます。(ちなみにベトナム語分からなくても筆記試験免除で免許取得できます。) こいつ外国人でも免許取れる仕組み知らねえのかよバカ野郎・・・と心の中で思いつつ、道路にある公安用の小さな窓口に連れて行かれます。(画像参照)

 実を言うと、この時点で既に自分の負けでした。あとは泥沼です。免許証を取られた自分には為すすべがない。いくら日本語を話しても見逃してくれない。窓口の中にいる公安のおじいちゃんは、なにやら「日本語 ベト・・・」とありえなく遅いスピードで翻訳サイトを検索しようとしていますが、途中で入力を諦めます。何のためのスマホだよ。かわりに今度はペンを取り、何やら紙に書き始めました。

500,000VND

指でトントンと文字を指します。賄賂です。50万ベトナムドン、日本円にして2,500円。強力な国家権力の僕(しもべ)である公安の唯一の弱点、カネです。ベトナムでは、大体のことはカネで解決できます。

 しかしいくら日本人とはいえ、2500円はやはり高い。初めてのベトナムだったなら、「え!それだけで許されちゃうの!」と快く払ってしまいそうですが、この国で2500円あれば炒飯15食は食えます。バインミーなら50食です。このままでは納得いかないので、インターン先の社員、テーさんにTELでヘルプを求めます。

「何?捕まったの?今どこ?」(この時点で楽しそうに笑っている)

「ディエンビエンフー通りです。」

「あーそれじゃ遠いね、ちょっと行けないや、うーん、10万ドン!10万ドンならオーケー!」(めちゃめちゃ笑っている)

10万ドン(500円)ならまぁ妥協できるので、早速財布の中身を調整します。こういうときは頭の回転が本当に速い。簡単な話です。財布の中身を12万ドンだけにして、残りはカバンの中に隠します。公安にずっと見張られているわけでもないので、財布をいじる隙を見つけるのは簡単でした。

 準備完了です。きょどって「Only this」となぜか英語を話しながら、12万ドンだけ入った財布をまるごと見せます。すると「これしか持ってないのかよ」と不服そうな顔をし、さっと10万ドンを取り上げ、「行け。」の一言。2万ドンは返してくれる優しさ。てか本当にきっかり10万ドンだった、さすがテーさん。ベトナム語を話さなかったので捕まった理由が分からずもやもやが残りましたが、初戦はこれにて終了です。惨敗とはなりませんでしたが、公安の手から逃れることはできず一敗を喫します。ちなみにこのくだりはベトナム人に好評です。みんな公安の話大好き。

 

残りは後編に続きます。